京町家の再生販売などを手掛ける京都の不動産会社、株式会社八清(本社:京都市下京区 代表取締役社長:西村直己)が、高断熱高気密専門工務店、有限会社ダイシンビルド(本社:大阪府大東市 代表取締役社長:清水一人)とコラボレーションし、「fikaso これからの京町家」という名称で、高断熱高気密リノベーション済京町家の販売を行います。7月30日(土)には初オープンハウスを開催します。
京町家は伝統構法のため基礎はなく、床下は隣家と繋がっており、隣家との隙間がほぼなく、隣家側の外壁の施工が困難です。そのため新築なら行えるような気密性の確保や基礎断熱、外断熱の施工ができず、夏の暑さと冬の寒さは空調に頼ることを前提に改修を行うケースがほとんどでした。このたびの改修では、まち並みに配慮して、京町家の外観を残しつつも、建物の内側に通気層、断熱層を設け、また樹脂製サッシや断熱ペアガラスを採用することで、高断熱高気密化を図り、京町家の風情と1年を通じた快適性の両立を目指しました。気密測定の結果、C値(※1):1.3、断熱性能計算の結果、UA値(※2):0.41と、京町家改修としては好成績を残すことができました。
■美しい京都のまち並みを形成する京町家
京町家は先人の知恵と工夫で建てられた伝統的な建物です。漆喰壁やいぶし瓦、出格子、虫籠窓など、どの家も同様の素材や意匠で構成されているのが特徴で、それが故に京都の美しいまち並みが形成されました。しかしながら近年では京町家は徐々に消失し、美しいまち並みが損なわれつつあります。伝統的な外観を残しながら、明るく快適で住みやすい改修を行うことで、少しでも多くの京町家を残し、京都のまち並みを維持することが大切だと感じています。
■京都ならではの住環境
京都の夏は蒸し暑く、冬は底冷えが厳しい環境です。京町家は風を通す造りにはなっていますが、近年加速する温暖化により、風鈴の音で少し涼しく感じたり、坪庭に水を撒いて風を感じたりといったことで夏の暑さをしのげた時代ではもはやなくなっています。寒い冬には、風情ある木製建具の隙間から、あるいは畳の下の隙間から容赦ない冷気が忍び寄ってくるのが厳しい現実です。京町家に憧れ、購入して住んでみたものの、「夏の暑さ、冬の寒さが辛い」という声もあることから、今回の高断熱高気密改修に取り組みました。
■八清が目指す「これからの京町家」
高断熱高気密化を図ることで、”1年を通じて心地よい京町家”を実証するのが今回の取り組みの目的です。「高断熱高気密」は、結果的に京都の文化的なまち並みを残し、CO2削減にもつながります。決して今回で終わりということではなく、今後も継続してこのような設計、施工を行っていくことで、実測データをもとに改善を重ね、持続可能な「これからの京町家」の普及を目指します。
※1 C値:「家にどれくらい隙間があるのか」を示した数値(小さいほど気密性が高い)
<目安>省エネ基準の家(全国) 5.0、省エネ基準の家(北海道・東北)2.0、高気密住宅 1.0以下
※2 UA値:「どれくらい熱量が家の外に逃げやすいのか」を示した数値(小さいほど省エネ)
断熱等級5(ZEH基準):0.6以下(京都)
<オープンハウス開催>
日時:2022年7月30日(土)13:00~16:00
予約不要・入退場自由
https://www.hachise.jp/buy/66135/index.html
※詳細は八清のWebページをご覧ください。
<物件概要>
種類 :中古住宅(京町家)
構造 :木造2階建
敷地面積:92.03㎡
延床面積:119.25㎡(ロフト含む)
施主:株式会社八清
https://www.hachise.jp
設計:fikaso(株式会社八清 落海達也+DICETTA 酒井敬洋)
https://www.hachise.jp/project/fikaso/concept/index.html
施工:有限会社ダイシンビルド
https://www.daishinbuild.com/
【株式会社八清】
称号:株式会社八清(ハチセ)
所在地:京都市下京区東洞院通高辻上る高橋町619番地
設立:1956年
代表取締役社長:西村直己
事業内容:主に京都市内の町家や中古住宅の再生販売、不動産コンサルティング・仲介・分譲・買取など。
伝統構法で建てる新築京町家分譲プロジェクトや「安心」「安全」「快適」を根幹としたリノベーションにより価値ある財産として住宅を再生させるプロジェクトを展開。
URL:https://www.hachise.jp