2022年7~9月期の中古住宅取引は堅調に推移するも、今後の金利等の動きに留意
(公社)近畿圏不動産流通機構が10月20日に発表した2022年7~9月期の近畿圏の中古マンション成約件数は、3,931件(前年同期比プラス5.7%)と3期ぶりに増加し、市場の売り出し(新規登録)件数は13,829件となりました。成約件数は近畿圏の対象12地域中8地域が前年比で増加し、増加エリアは前期比で3地域増え、取引が堅調に推移したエリアが目立ちました。
中古マンションの成約価格は2,656万円(前年同期比プラス6.6%)と9期連続で上昇し、売り出し(新規登録)価格は2,738万円と前期比で2.4%上昇しました。成約価格は12地域中10地域が前年比で上昇し、上昇エリアは前期比で1地域増えました。最も価格水準が高い大阪市は、28期連続で前年同期を上回っています。
中古戸建住宅の成約件数は2,426件(前年同期比マイナス0.1%)と3期連続で減少し、新規登録件数は8,522件となりました。成約件数は12地域中7地域が前年比で減少し、減少エリアは前期比で1地域減り、軟調な動きが続いてきた戸建取引に変化の兆しもみられました。
中古戸建住宅の成約価格は2,242万円(前年同期比プラス4.8%)と8期連続で上昇し、新規登録価格は2,675万円となり前期比で2.6%上昇しました。成約価格は12地域中8地域が前年比で上昇し、上昇エリアは前期比で3地域減りました。大阪府南部と滋賀県は7期連続、阪神間は6期連続で前年同期を上回っています。
社会経済活動がWithコロナへと変化し、足元で景気も改善しつつありますが、欧米に準じて物価上昇が想定以上に高まると23年春以降に金利の上昇が本格化する可能性があります。中古住宅の取引は回復し価格も上昇が続いていますが、今後は住宅ローン金利や買取再販用の事業資金の金利に加え、リフォーム資材等の価格の動向が中古市場に与える影響を注視する必要性が高まっています。