国交省「空き家対策モデル事業」 2025年6月、鎌倉・葉山エリアを対象にプロトタイプリリース
株式会社エンジョイワークス(本社:鎌倉市、代表取締役:福田和則)は、不動産や地域に関する莫大な「データ」を活用し、地域にとって好ましい空き家の利活用策や事業計画立案を支援するためのレコメンドサービス「AKIYA Revolution」を開発し、2025年6月にプロトタイプをリリースします。この「AKIYA Revolution」は、令和6年度の国土交通省「空き家対策モデル事業」の「空き家等に関連するスタートアップなど新たなビジネスモデルの構築等」に採択されており、一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科の清水千弘教授ほかと合同で開発をしています。
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AKIYA Revolutionは、人口や経済、観光入込客数などの地域情報、用途地域や地区計画、防火・準防火地域などの法令制限に関するデータ、登記簿や地番、路線価や公示価格などの不動産に関係するオープンデータ、築年数、構造、リノベーション(改修)コスト、運営人件費など、当該エリアに関するあらゆるデータを集約し、物件を指定すると最適な活用方法(不動産であれば想定売却価格、賃貸であれば想定賃料、事業であれば、宿が良いかシェアオフィスなのかカフェなのかの想定事業収支)をレコメンドするサービスです。AKIYA Revolutionにより、空き家等遊休不動産の利活用が促進され、空き家問題解決の一助になるだけでなく、地域での起業創出機会を広げ、地域活性・地方創生に繋がることを期待しています。
空き家活用の現状課題
総務省が2023年10月に実施した「住宅・土地統計調査」の速報集計結果で、全国の空き家数は過去最高の約900万戸となっており、増加を辿っています。その中で、現状の空き家の利活用は不動産の事業者などを含めて、用途が決まっているや活用の目的を持った人などに限られています。
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当該物件(空き家)の最適な利活用方法がわからない
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地域活性化に最適な利活用策の見極めが難しい
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改修費用がどれくらいかかるかわからない
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事業化を進めたいが資金・ノウハウがない
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活用・売却・貸し出しの選択肢を探している
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持続可能な事業計画の立案が困難
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不動産に関する必要な情報の収集が難しい
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用途地域など立地の調査が必要だが調べ方がわからない
実際に利活用を考えていても、事業に至るまでこれらの課題が大きなハードルとなっており、「空き家を活用したい人」が手軽に情報を取得できていません。物件の査定と言う面では、不動産事業者のサービスもありますが、具体的な利活用に関しては自ら調べるか、複数の専門家に相談の上、事業計画を立てなければなりません。地域特性や運用した場合の収支など、必要な情報は膨大で非常に多くの手間と時間がかかります。それを、データ化の技術を活用して、「最適な利用方法」をワンストップで導き出すのが「AKIYA Revolution」のサービスです。これを用いることで、事業を始めたい人のスタート時の負荷を軽くすることが可能になります。
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誰もが気軽に空き家活用の最適解を知ることができる。地域にとって好ましい利活用策や収益最大化を図る事業計画の立案をデータに基づいて自動化することで、自治体や地元企業、地域金融機関が積極的に空き家の再生を支援しやすくなる「共創環境」を作ることができます。私たちは「AKIYA Revolution」のサービスを通して、空き家等遊休不動産の最適な利活用方法を見極め、事業を行いたい事業者や個人に、一歩踏みだすきっかけを与え、チャレンジしやすい仕掛けを提供していきます。
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産学連携でデータ活用
令和6年度の国土交通省「空き家対策モデル事業」においては、AKIYA Revolutionの開発に必要となる各種オープンデータの調査やレコメンドエンジンの仕様検討などを行いました。本モデル事業には、一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科 清水千弘教授(同研究室)などが補助事業者として参画。不動産売買プラットフォームサービスの開発運用実績のある株式会社property technologies(同社の研究・開発組織「PropTech-Lab」)と東京都市大学秋山研究室によるベンチャーでAIデータ分析を手がける都市空間総合研究所とも開発連携をしています。
*株式会社エンジョイワークス:サービス設計、開発、営業、運用
*一橋大学ソーシャル・データサイエンス研究科 清水千弘教授:全体監修、技術アドバイザー
https://www.sds.hit-u.ac.jp/faculty/
*株式会社property technologies『PropTech-Lab』:技術サポート、データ検証
*株式会社都市空間総合研究所:サービス設計、開発
エンジョイワークスは、地域活性に資する空き家・遊休不動産利活用の資金調達プラットフォーム「ハロー! RENOVATION」を運営しており、物件再生に関わる不動産投資ファンドの組成・運用実績もデータとして保有しています。また、全国で宿泊施設の運営や開業支援事業も展開しているため、事業化においての想定収支なども「AKIYA Revolution」のデータとして分析に活用することができます。 空き家・遊休不動産を利用して何かを始めたい人の入り口として「AKIYA Revolution」を利用していただき、資金調達が必要であればハロー! Renovationを活用してクラウドファンディングで資金調達を行う。全国各地での施設運営のノウハウを元に、事業運営のサポート(空き家活用〜資金調達〜事業運営まで)の一連のサービスを提供することができます。「国民総空き家活用時代」において、あらゆるフェーズでのサービス提供が可能です。
【サービス展開予定】
エンジョイワークスの拠点のひとつ、鎌倉・葉山(湘南・三浦半島)エリアを対象にしたプロトタイプを2025年6月に公開予定で、サービス対象を全国に展開していきます。今後は、個人だけでなく不動産事業者や自治体・行政機関での運用メニューも検討していく考えで、私たちは、DXの技術を活用しながら、「誰もが空き家遊休不動産を活用して、地域を盛り上げられる世界」を目指していきます。