森興産が外国人の信用スコアリングに関するビジネスモデル特許を取得

留学生など外国人の信用力を補完し日本での生活環境を向上

　外国人留学生の支援事業などを展開する森興産株式会社（本社：大阪市中央区、代表取締役：森 隼人、以下「森興産」）は、留学生などの外国人の信用力を補完し、日本での留学、生活、就労を支援することを目的として、外国人に対する信用のスコアリングに関するビジネスモデル特許（特許第7450961号）を２０２４年３月８日に取得しました。

1. ビジネスモデル特許取得の背景

　近年、留学や就労を目的として日本に在留する外国人の数が増大しています。森興産はこれまで、外国人財キャリア支援・教育事業と外国人財採用・定着コンサルティング事業を主な事業とし、数多くの外国人留学生や労働者、その配偶者等（以下「留学生等」）に接してきました。その中で、留学生等が日本に居住する際に、様々な不便を感じている場面に向き合ってまいりました。

　例えば、日常生活に必要不可欠な携帯電話やスマートフォンの契約をする際には、携帯電話会社から銀行口座やクレジットカードの提示が求められますが、銀行口座を開設しようとすると、連絡可能な電話番号の提供を求められます。また、キャッシュレス化に伴いクレジットカードを作成しようとしても、留学生等に対して審査が厳しい傾向にあります。

　この背景として、日本に居住することになった留学生等には日本社会においてあらゆるサービスを受ける際の「信用力不足」が一つの要因となっていることが挙げられます。留学生等を社会全体で受け入れ、互いが不便を感じずに生活していくためには、上記のような状況を解消し、信頼・信用を積み重ねるなかで、留学生等との共生の障壁となっている生活サービスの差を埋めるなどして、日本での生活の魅力を向上させることが求められています。

　そこで森興産は、留学生の「信用」を「見える化」し、その「信用」をあらゆるサービスに活用できるようにすることを目的として、留学生等に対する信用のスコアリングに関するビジネスモデル特許の取得に至りました。今後、外国人を顧客とするあらゆる機関と連携し、この特許を活用する中で留学生等向けサービス・商品の充実と開発を行ってまいります。

2. ビジネスモデル特許取得について

（１）概要

　留学生等の活動実績に関する情報を複数の異なる関連機関から取得し、信用スコアを算出します。

　算出した信用スコアに基づいて、留学生等に対して優待サービスを適用するか否かを判定します。

特許登録：2024年3月8日

特許番号：特許第7450961号

特許権者：森興産株式会社（発明者：森隼人、清水麻生）

発明の名称：信用スコア管理方法、管理装置およびプログラム

（２）詳細

　信用スコア管理は、以下の３ステップ（※）で行います。

①実績情報取得ステップ･･･留学生等の実績に関する情報を、複数の異なる関連機関から取得

②信用スコア算出ステップ･･･実績に関する情報に基づき、留学生等に対する信用スコアを算出

③優待適用判定ステップ･･･信用スコアに基づき、優待サービスを適用するか否かを判定

※３ステップの詳細は以下のとおりです。

①実績情報取得ステップ

日本に居住することになった留学生等の様々な活動実績に関する情報を関連機関から取得します。第三者からの評価を適切に反映するために、実績に関する情報は、複数の異なる関連機関から取得します。

例えば、留学生等が在学する日本語学校等の教育機関とアルバイト勤務している企業とから活動実績を取得します。

【関連機関および活動実績例】

・教育機関･･･学業成績、出欠記録、表彰、教師からの評価、学費の支弁状況など

・企業･･･インターンシップやアルバイトでの業務成績や勤怠記録、役職または役割、勤務先からの評価、取引先からの評価、顧客からの評価など

・金融機関･･･家賃の支払、水道光熱費の支払、電気通信事業者への料金支払、借入金の返済、クレジットカードでの支払または決済、奨学金の返済、利用している奨学金の種類、学費の支弁状況、生活費の支弁状況など

・行政機関･･･行政機関への届出状況、社会保険への加入状況、および法令の遵守状況など

・その他団体･･･取得した資格の数、取得した資格の難易度、日本への関心度･理解度、言語能力、留学経費の支弁状況、ボランティア活動への参加、および受賞歴など

②信用スコア算出ステップ

信用スコア算出は、関連機関から取得した実績に関する情報に基づいて算出します。信用スコアの算出には、あらかじめ決めたスコアテーブルに基づいて算出することができますが、それ以外にも人物をスコアリングする公知の様々な方法を用いることができます。

また、実績に関する情報に基づいて、継続性、まめさ（忠実性）、積極性、思いやり、柔軟性、コミュニケーション能力、および課題解決能力などの性質をスコア算出することもできます。

③優待適用判定ステップ

優待サービスを留学生等に対して適用するか否かの判定を信用スコアに基づいて行います。

【関連機関および優待サービス例】

・金融機関･･･金融機関口座の開設、クレジットカードの発行、資金の融資など

・不動産業者･･･住宅の賃貸契約の締結など

・携帯電話会社･･･携帯電話会社とのスマートフォン等の契約の締結など

　関連機関における様々な活動の実績に基づいて、留学生等に対する優待サービスが適用されることによって、日本に居住することになった留学生等を取り巻く環境は飛躍的に向上します。

　また、信用スコアが向上することにより、優待サービスのレベルもさらに向上し、環境も向上さらには、提供事業者とともに新しいサービス・商品の開発に繋げることが期待されます。

3. ビジネス特許内容の実装について

　森興産では、日本に在留する外国人留学生のアルバイト時間や給与を計算し、在留管理を行うアプリ「28 – Twenty eight – シリーズ（https://morikosan.co.jp/28）、以下『28』」の提供をしています。

　「28」 は、「適正・適法に日本人と外国人が共生し合える社会づくり」を前提に、外国人雇用・管理のDX化（デジタルトランスフォーメーション）の実現を目的に、外国人と日本人双方が法令を遵守し、適正に働く環境を整えることで一人ひとりの活躍を支援するアプリケーションです。

　｢28｣の機能の中には、今回のビジネス特許の仕組みが一部実装されています。例えば、「28」を使用し、勤務シフトの入力や出退勤の打刻記録から、信用スコアの性質の1つである「継続性」をスコアリングできます。

森興産では、今回のビジネスモデル特許の取得を含め、引き続き、国籍・人種を問わず留学生等が抱える日常生活や学生生活、日本での就職支援、就職後の定着に必要な情報提供と活動を積極的に行うなかで「留学生等と日本・地域社会・企業・学校をつなぐインフラ」となることを目指してまいります。

＜会社概要＞

・会社名：森興産株式会社（URL：http://www.morikosan.co.jp/）

・代表者：代表取締役　森　隼人

・設立：1987年4月28日

・所在地：大阪市中央区南船場1丁目4番11号 モリビル4階 

・主な事業：

外国人財採用・定着コンサルティング事業

（有料職業紹介事業 許可番号：27-ユ-301934、登録支援機関（登録番号 23登-008612））、114ヵ国、約17,000人の外国人が活用する多言語メディア「WA. SA. Bi. （わさび）」（URL：https://www.iiwasabi.com/）の運営、外国人財向けキャリア支援・教育研修事業、外国人留学生アルバイト採用・管理システム、外国人向けイベント企画・運営事業、海外マーケティング事業、多言語デザイン・広告事業、ビジネス日本語能力テスト（BJT） 正規販売代理店（21カ国）、通訳・翻訳事業 等

・加入団体等：

公益社団法人関西経済連合会(アジアビジネス創出プラットフォーム 人材育成・活用部会事務局)、大阪商工会議所、京都商工会議所、東大阪商工会議所 大阪産業局 外国人材採用支援センター（専門機関）、大阪観光局 留学生支援コンソーシアム大阪（専門委員） 等

・表彰等：経済産業省選定　『地域未来牽引企業』