京都府、大阪府、兵庫県の2025年新築マンションの平均価格をLIFULL HOME'Sが調査
事業を通して社会課題解決に取り組む株式会社LIFULL(ライフル)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:伊東祐司、東証プライム:2120、以下LIFULL)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)」は、2025年における東京23区、首都圏の新築マンションの平均価格調査に続き、LIFULL HOME’Sで掲載した物件を対象に京都府、大阪府、兵庫県の新築マンションの平均価格をもとに市区町村単位で調査し、発表します。
※ LIFULL HOME’S「東京23区の新築マンションの平均価格(2025年)」https://lifull.com/news/43559/
LIFULL HOME’S「首都圏3県の新築マンションの平均価格(2025年)」https://lifull.com/news/43966/

京阪神も億ションが当たり前に!価格はまだまだ上がる?まだ上がっていないエリアはどこ?

首都圏と同様に近畿圏でも資材価格や人件費の高騰、住宅性能向上に伴い、不動産価格の高騰が続いています。さらに大阪駅周辺をはじめ、京都市でも1億円を超える新築マンションが供給され、平均物件価格が上昇しています。
住宅ローンの金利上昇や物価高騰するなかでも、コストパフォーマンスの良い暮らしを求める方に向けて、京阪神の2府1県における新築マンションの平均価格や平均平米単価に着目し、調査しました。
住宅市況の分析を行うLIFULL HOME’S総研チーフアナリストの中山登志朗の見解とあわせてまとめています。
マンション価格はエリアや立地だけでなく、同じ建物でも部屋ごとに価格や面積が異なるケースが多いため、平均価格の1平米(㎡)あたり平米単価を算出し、比較しました。
【大阪府/大阪市】市内の平均価格が100万円台に!平均価格の億超えは3エリアに増加、北区の2.5億円が最高

2025年1-5月にLIFULL HOME’Sに掲載した大阪市の新築マンションは19エリアあり、大阪市の平均価格は7,538万円、平米単価は106.2万円で前期比は112.8%と伸長しています。平均価格が1億円を超えたのは大阪市西区、天王寺区、北区の3エリアとなり、最高価格は北区の平均価格が2億5,401万円です。ターミナル駅である大阪駅・梅田駅から徒歩圏内に立地することから平米単価も233.8万円と極めて高くなっており、前期比は193.8%です。西区の平均価格は1億3,473万円で、平米単価は174.3万円で北区に次ぐ高い価格帯です。梅田・本町・なんばといった主要エリアへのアクセスの良さに加え、靭公園周辺の落ち着いた住環が整い、職住近接のバランスが良好です。前期に平均価格が1億円を超えていた福島区は7,979万円、浪速区は8,800万円となりました。
北区や西区、天王寺区では平均価格が1億円を超えている一方で、平均価格が3,000~5,000万円台は12エリアあり大阪市内でも多くの方にとって購入を検討できる物件も供給されていることが分かります。

大阪市で2024年、2025年に掲載がある平均平米単価について2023年からの推移をみると、緩やかに上昇・横ばい状態のエリアと大きく変動しているエリアに分かれます。ほとんどのエリアが100万円~150万円と100万円までの価格帯に収まるエリアに集中しているのに対し、北区と西区の2区が飛びぬけています。この北区(110.6万円→120.6万円→233.8万円)と西区(110.6万円→116.5万円→174.3万円)はこの3年間で大きく上昇し、大阪市の平均を上げています。この2区に次いで平米単価が高い、天王寺区(99.7万円→112.9万円→137.0万円)も上昇がみられますが、中央区や浪速区、福島区とともに100万円~150万円の価格帯に留まっています。
大阪市内の新築マンション価格は、高級エリアから手頃な価格帯まで、多様な選択肢が広がりを見せています。

2025年1-5月にLIFULL HOME’Sに掲載した大阪府下の新築マンションは24エリアあり、大阪府全体の平均価格は6,829万円、平均平米単価は93.1万円です。箕面市の2億599万円が平均価格の最高額で、平米単価は149.4万円で前期比206.4%、平均専有面積も125.87㎡と大阪府全体で最も広くなっています。一方で、大阪府下の19エリアでは3,000万円~5,000万円台に収まっており、地域間でのバラつきが見て取れます。
大阪府下の各エリアは、オフィスや学校などが集まる大阪市内まで30分程度でアクセスが可能なため、物件価格や専有面積を重視する方にとっては多様な選択肢があるといえます。
【京都府】京都府の新築マンション価格が上昇傾向、京都市東山区は平均平米単価178.9万円で高水準に

2025年1-5月にLIFULL HOME’Sに掲載した京都府の新築マンションは11エリアあり、平均平米単価は114.8万円と、前年を上回る水準となりました(対前年比110.8%)。なかでも、京都市東山区は平均価格が1億6,519万円で平米単価178.9万円と高額なエリアの一つです。さらに平均価格が1億円を超えたのは京都市左京区(1億1,032万円)と京都市中京区(1億3,868万円)で、いずれも京都の中心部にあるため観光名所や文化財に近接し、実需だけでなく資産性の高い物件が多く供給されていることがうかがえます。郊外では実需層向けの手頃な価格帯も維持されており、エリアによって多様な選択肢が存在しています。また、京都府の平均専有面積は75㎡以上と縮小がみられない中で、単価上昇は材料費・人件費の高騰が反映されていると考えられます。

京都府で2024年、2025年に掲載があるエリアの平均平米単価について2023年からの推移をみると、40万ごとの幅で大きく3つの価格帯に分かれています。京都市東山区では平均平米価格が178.9万円に達し、上位価格帯(140万円~180万円)に位置しています。これは京都府内で最も高額なエリアとなっています。続いて京都市中京区も上位価格帯に属し、平米単価は163.5万円です。中堅価格帯(100万円~140万円)には、京都市左京区、北区、下京区が含まれています。これらのエリアでは、利便性と価格のバランスが取れている点で人気があります。また、標準価格帯(~100万円)を維持しているエリアもあり、京都市南区、伏見区、山科区などが挙げられ、比較的検討しやすい価格での住宅購入が可能です。推移データからは京都府内の新築マンション市場の多様性を示しています。
【兵庫県】平均価格の最高は芦屋市。平米単価は神戸市以外に川西市、芦屋市、姫路市で大幅上昇!

2025年1-5月にLIFULL HOME’Sに掲載した兵庫県の新築マンションは15エリアあり、平均価格は6,973万円で平均平米単価は88.9万円、前期比107.4%と昨年よりもさらに上昇しています。
芦屋市の平均価格は1億4,700万円で、県内でもトップクラスの高価格帯となり平米単価が146.9万円と上昇し、前年より143.6%増加しています。都市部では神戸市中央区の平均価格が8,271万円、平米単価は113.3万円と高い水準にあり、人気の高さが表れています。

兵庫県で2024年、2025年に掲載があるエリアの平均平米単価について2023年からの推移をみると、25万円の幅で大きく4つの価格帯に分けられます。芦屋市の平米単価は146.9万円と全国的にも突出した価格で、神戸市灘区(平米単価126.7万円)や西宮市(同103.0万円)といった人気エリアが全体の価格上昇を牽引しています。75万円~100万円の中堅価格帯には8つのエリアが集中しています。神戸市須磨区や宝塚市、伊丹市など交通利便性に加えて、郊外でのゆとりある生活志向にもマッチし、ファミリー層からの需要が安定しているエリアです。川西市(同77.8万円)と姫路市(同76.3万円)は前期から大きく伸長し、中堅価格帯に収まりました。一方で、明石市(61.5万円)や加古川市(55.2万円)は兵庫県西部に位置し、相対的に手頃な価格で供給が続いており、兵庫県内の新築マンションは「都市近接高額エリア」と「郊外のコストパフォーマンスエリア」への二極化が進行しています。
LIFULL HOME’S総研 副所長/チーフアナリスト中山登志朗(なかやま としあき)考察コメント

“うめきた”は東京都心並みの2億5千万円 二極化が進む京阪神新築マンション価格事情
建設業・運輸業就労者への残業規制が始まった2024年以降人件費が高騰し、併せて円安による資材価格の高騰、地価の安定的上昇の“トリプルコストプッシュ”によって近畿圏でも特に大阪・京都・神戸の各中心部の新築マンション価格が上昇しています。
府県ベースで大まかな価格の上昇率を見ると前年比で10%程度の上昇に留まっていますが、大阪市北区では193.8%と昨年から約2倍の水準に跳ね上がっており、平均価格も25,401万円と突出していて東京都心並みの価格まで上昇しています。同様に西区では前年比149.6%、天王寺区でも121.3%、平均価格はそれぞれ1億円を突破していますから、大阪市中心部の新築マンション価格は東京都心と同じく急騰していると見ることができます。ただし中央区では本町周辺のタワーマンション開発が一段落したことから価格自体は落ち着きを見せており前年比106.4%と安定推移していますから、同じ大阪市内でも価格の濃淡がより明確になっています。
極めて高い価格水準で分譲されているエリアの共通項は、実需だけでなく投資や相続税対策、インバウンド需要=投機も含めてニーズが多岐に渡り、強気な価格設定が続きますが、交通&生活利便性を含めてほぼ実需に限られるエリアは平均価格が5,000万円前後で分譲されており、前年比も横ばいもしくは下落しているところが散見されます。つまり大阪市内で価格を牽引しているのは話題性の高い一部の高額物件で、多くの新築マンションは実需層をターゲットとした価格帯で分譲されていることがわかります。その意味では東京23区のように一般的な所得者層が購入できない価格水準には達しておらず、価格はやや上昇傾向でも、現実的に購入を検討できる価格を維持しているとも言えます。
この傾向は大阪府下、京都府、兵庫県でもほぼ同様であり、北摂エリアの箕面市、摂津市、京都市中心部の左京区、中京区、東山区、阪神間で人気住宅地の芦屋市、神戸市灘区、中央区は平均価格が概ね1億円を突破するなど高水準で分譲されていますが、その周辺エリアにはまだ波及しておらず、実需層が購入検討可能な範囲内にあると言えます。このような価格の二極化は、相続税対策や資産の付け替え需要、インバウンド需要が収束する気配が見えない限り、近畿圏で当面継続するものと考えられます。
調査概要
・集計対象:大阪府、京都府、兵庫県内で分譲された新築マンションのうち、LIFULL HOME’Sに掲載された物件を行政区&自治体単位で集計
・集計期間:2024年1~5月および2025年1月~5月を比較し対前期比を算出
・集計条件:専有面積30㎡未満の住戸および平均専有面積が30㎡未満の分譲期は除外
・集計方法:各マンションにつき、分譲期ごとに最高価格/面積と最低価格/面積を抽出し平均値を算出
LIFULL HOME’S について(URL:https://www.homes.co.jp/)

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