賃貸管理の「定期報告書」作成時間を35時間から1時間に短縮
建設・不動産・賃貸管理・仲介事業を展開するハタス株式会社(愛知県刈谷市熊野町、代表取締役社長:塚本龍生)は、賃貸管理業務におけるコールセンターの定期報告書作成にAI(人工知能)とRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用し、大幅な業務効率化に成功しました。従来なら約35時間を要していた業務を約1時間で完了できるように改善し、働き方改革の一環として作業時間の短縮に大きな成果を出しました。
導入背景:コールセンターの働き方改革を目指して
賃貸管理業を行う弊社では、かつて24時間365日体制で社員が本社に常駐し、入居者からの電話問い合わせに対応するコールセンター業務を担っていました。しかし、人材不足による各々の負担増、全社員が持ち回りで宿直室での深夜待機など、本業以外での業務負担が大きくなっており問題が年々大きくなっていました。

代表の交代や新組織での改革の一環として、働き方改革の推進を行い、社員の負荷軽減と労働環境の改善を図り、約1年前に10年以上行っていたコールセンター業務を専門の外部企業へアウトソーシング。この取り組みにより、深夜帯を含む常駐対応から社員が解放され、業務負担の軽減につながりました。
新たな業務負担の発生と法改正による新しい義務
業務負担の軽減につながった一方で、今度は新しく行う業務が発生する事態に。外注先から上がってくる対応結果のフィードバックを確認し、自社の管理システムへ手動で再入力するといった今までにはない業務が発生。さらに2021年に施行された「賃貸住宅管理業法」により登録賃貸住宅管理業者は物件オーナーに対し管理状況を定期的(少なくとも年1回)に報告することが義務付けられました 。この法改正を受けて、賃貸管理業務におけるオーナーへの定期報告書の作成が不可欠となり、現場には新たな業務負担が生じました。こうした報告業務の負担増に対処すべく、さらなる効率化への取り組みが急務となっていました。
AIとRPAを活用した報告書作成のプロセス
こうした課題を解決するため、ハタスでは外注コールセンター業務の対応記録データを一括でCSV形式にダウンロードし、それを自動処理する仕組みを構築しました。この仕組みにより、報告書作成作業の大部分が自動化され、属人的な手作業に依存しない体制を実現。また、報告内容の標準化が図られ、人による記載漏れや誤記載のリスクも低減しています。さらに、RPAが定型処理、AIが文章生成という役割分担を行うことで、それぞれの技術の強みを引き出し、相乗効果による効率化を達成しました。

大幅な時間短縮と『不動産テック』成功事例としての評価
新プロセスの導入により、約35時間を要していた定期報告書作成作業は約1時間で完了可能となりました。作業時間を約97%削減したことになり、業務効率は飛躍的に向上しました。これにより担当者の残業削減や、空いた時間を他の重要業務に充てることが可能となり、働き方改革のさらなる推進にも寄与しています。不動産業務とIT技術を融合させた「不動産テック」による新たな価値創出に取り組み、今後も積極的にデジタル技術を活用して業務効率化とサービス品質の向上を図ります。
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