約7割の売主が「売却途中で取りやめよう」と考えた経験あり。DXを通じた情報共有が売主の納得感の鍵に

株式会社Facilo(本社:東京都港区、代表取締役 CEO:市川 紘)は、『Facilo不動産DX総研』によるリサーチ第三弾として、「不動産売却の課題と顧客体験に関する調査」を実施しました。本調査では、仲介会社を利用した不動産売却の過程で、売主が抱える不安や売却に対する満足度を左右する要因を分析しています。
売主が不安を抱く要因として、「市場動向や競合物件情報の不足」「仲介会社選定時に決め手となる情報の不足」「販売活動の不透明性」などが挙げられました。これらの情報不足は、売却の途中段階で取りやめを検討する背景になっており、不動産売却におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を通じた売主への情報提供のあり方に関する示唆を得ることができました。
Faciloでは今後も、不動産業界におけるDX推進や顧客体験の向上に寄与する分析・調査結果を継続的に発信し、不動産取引の活性化を支援してまいります。
調査概要
調査名称
「不動産売却の課題と顧客体験に関する調査」
調査目的
仲介会社を利用した不動産売却経験者における、売却プロセスの課題と顧客体験要因の検証
調査期間
2025年2月1日(金)~2025年2月6日(火)
調査方法
インターネット調査(PRIZMA[https://www.prizma-link.com/press])
調査対象
調査回答時「売却仲介業者を通して不動産を売却した経験がある」と回答したモニター 1,002人
調査実施主体
株式会社Facilo(『Facilo不動産DX総研』)
主な調査結果
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約7割の売主が「売却途中で取りやめよう」と考えた経験あり
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売却にあたって「情報不足」が大きな障壁に
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「市場動向や競合物件がわからない」「仲介会社選定で決め手を得られない」「販売活動の不透明さ」などが要因
2. 仲介会社選定時に必要なのはタイムリーな情報提供
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売主の納得感につながるのは、市場情報や競合物件状況のタイムリーな更新
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ニーズが高いのは、市場や仲介会社の販売力に関する情報
3. 媒介契約後の販売活動の透明性が売主の不安を左右
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担当者の迅速かつ可視化されたサポートが売主のリピート依頼に
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販売活動の進捗や問い合わせ件数がタイムリーに共有されないことで、売主の不安感増
4. DX推進を通じたタイムリーな情報共有が差別化への鍵
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約6割の売主が「デジタル化の取り組みが仲介会社選びの決め手」と回答
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専用マイページでの情報の一元管理・閲覧が支持され、メールや電話への支持は低い
調査結果の詳細
1. 不動産売却において売主が感じる課題点
不安要因の第一位は「売却途中での迷い」、背景にあるのは情報不足
仲介会社を利用した不動産売却経験者の約7割が「売却を途中で取りやめよう」と考えた経験を持つことが明らかになりました。市場動向や競合物件、査定価格の根拠となる情報の不足などが原因となり、売主が売却を継続する意欲を失うケースが多くなっています。
【不動産売却の検討中に「取りやめよう」と思った経験の有無とその理由】
不動産売却の検討中に「取りやめようと思った」人は約7割。理由は「市場動向や競合物件に関する情報がわからなかったから」が最多で、情報不足への不安がうかがえます。

2. 仲介会社選定時における売主のニーズ
売主が求めるのは、不動産売却に関する”タイムリーな”情報提供
不動産売却に関連するタイムリーな情報提供が、仲介会社選びの決め手となる傾向が見られました。売主が求める情報としては、市場や仲介会社の販売力に対するニーズが高くなっています。
【仲介会社選びの決め手】
仲介会社選定の決め手は「買主の検討状況や販売活動の積極的な情報共有」「市場動向や競合物件の細やかな情報提供」「販売活動状況のタイムリーかつ分かりやすい共有」が上位となり、タイムリーな情報提供が売主の信頼獲得につながることが明らかになりました。

【不動産仲介会社に求める情報】
「競合物件や近隣の市場動向を共有してほしい」が最多、次いで「購入顧客の情報」や「近隣で売却した物件の実績」など、市場や販売力に対するニーズが高い状況です。

3. 媒介契約後における売主のニーズ
迅速かつ可視化されたサポートがリピートに、透明性の欠如が売主の不安に
「密な情報共有や相談があり、販売活動の透明性が高いと感じた」「営業担当の対応が早かった」などが評価されてリピート依頼につながる一方、「販売状況や問い合わせ数が分からない」「内見調整が煩雑」などのストレスが売主の納得感を低下させる一因となっていました。売主が希望する連絡頻度については、問い合わせ件数や競合物件の価格動向などリアルタイムでの情報共有が、法定の2週間に一度の報告よりも支持を集めています。
【仲介会社にリピート依頼する理由】
「密な情報共有や相談があり、販売活動の透明性が高いと感じた」が最多、次いで「営業担当の対応が早かった」「販売活動をリアルタイムに見やすい形で共有してくれた」など、迅速かつ可視化されたサポートがリピートにつながっています。

【媒介契約後から売却完了までに感じたストレス】
「営業担当や店舗の販売活動がどの程度行われているか不透明」が最多、次いで「問い合わせ件数などのデータがリアルタイムに把握できない」と、進捗や状況が見えづらいことへの不安・不満が大きい傾向に。

【媒介契約後における情報提供の内容と頻度の希望】
法定の2週間に一度の報告のみでは「仲介会社の変更を検討する」との回答が約半数に達する一方、問い合わせ件数や競合物件の価格動向などリアルタイムでの情報共有が、売主の納得感と媒介契約継続につながる傾向が見られます。

4. DXに対する売主のニーズ
”デジタル化”が仲介会社決定の決め手に。メール・電話よりも情報の一元管理・閲覧を支持
約6割の売主が、仲介会社選びの際に「デジタル化の取り組みが決め手になった」と回答。不動産売却時に売主が経験したデジタル化の現状と、今後の期待との間の伸びしろが明らかとなり、DX推進が仲介会社としての差別化要因の一つになると言えるでしょう。情報共有については、専用マイページでの情報一元管理・閲覧が評価される一方、メールや電話に対する希望順位が低くなっています。
【仲介会社選択にDXが与える影響】
仲介会社を比較検討する際に「デジタル化が決め手になった」人は約6割と、仲介会社におけるDXへの評価の高さがうかがえます。

【不動産売却におけるデジタル化の現状とDXの可能性】
売主が仲介会社選びや売却プロセスで経験したデジタル化の現状と、今後の期待との間にはまだ大きな伸びしろがあり、いち早くDXを推進することで差別化につながることがわかります。

【仲介会社による情報提供・共有方法の希望】
「専用マイページでの閲覧」が最多と、様々な情報を一元管理・閲覧できる利便性が評価されている一方、現在の情報提供方法として一般的なメールや電話に対する希望順位が低くなっています。

まとめ
本調査から、不動産売却時に売主が抱える「市場動向や競合物件情報」「仲介会社選定時の情報提供」「媒介契約後の販売活動の透明性」の不足が不安を生み出し、売却途中での離脱や満足度の低下に直結することが明らかになりました。マーケット情報や販売活動の進捗をタイムリーかつ継続的に提供し続けることで、売主は納得感を持って売却を進めやすくなる傾向も示されています。
専用マイページでの情報の一元管理を通じた不動産売却を可能とするようなDX推進の取り組みが、売主の納得感を高め、仲介会社としての差別化につながる鍵となるでしょう。
Faciloでは今後も、売主と仲介会社の双方にとって最適な取引環境の実現を目指し、不動産売却の顧客体験向上に資する調査・分析を継続してまいります。
クラウドとAIを活用して次世代の「売主体験」を実現する『Facilo物件売却クラウド』のご紹介

『Facilo物件売却クラウド』では、これまで「買い仲介」向けに培ってきたテクノロジーやノウハウを応用し、「売り仲介」特有の課題の解決に取り組みます。
クラウドとAIを活用することで、仲介会社の営業担当が販売活動情報を取りまとめる業務を劇的に効率化するとともに、各種情報を売主向けマイページ上でリアルタイムに分かりやすく可視化することによって次世代の「売主体験」を提供し、顧客満足度向上を実現できます。
『Facilo物件売却クラウド』機能例

競合物件レポート
競合物件の売り出し状況をグラフやマップで直感的に可視化。独自のテクノロジーにより、手作業による集計業務なしでマーケット情報を更新します。これにより、売主は競合物件の価格動向をタイムリーに把握し、売却価格の調整を納得感を持って判断可能になります。

反響レポート
媒体別の反響数推移を分かりやすく可視化したグラフを自動生成します。さらに、販売促進活動の情報もあわせて表示されるため、結果だけでなく、日々の営業努力も売主に共有できます。
売主は定期報告を待たずに、リアルタイムで集客状況や販売促進活動を把握でき、時系列の推移も簡単に確認できます。

売主向け簡易CRM
売り出し中の物件を検討している買主候補が、どのステータスにどれだけいるのかを一目で把握できます。クラウド上のログをもとに自動更新されるため、営業担当の手作業負担を削減し、売主も販売状況の全体像を簡単に確認可能です。

内見予約クラウド
営業担当と売主がクラウド上でスケジュールを共有・管理できるため、内見の日程調整がスムーズに進められます。内見申し込みがあった際には、クラウド上で売主のスケジュールを直接確認できるため、メールや電話での都度確認が不要になります。

報告書ワンクリック自動作成
クラウド上で一元管理された各種情報と最新のAI技術を組み合わせることで、営業活動報告書をワンクリックで自動生成できます。また、リマインド機能を搭載しているため、報告漏れを防ぎ、営業担当も安心して業務を進められます。
売主にとっても、マイページ上で過去の報告書をアーカイブとして簡単に閲覧できるため、個別に送付されるファイルを手作業で保存・管理する手間がなくなります。
『Facilo物件売却クラウド』
サービスサイト: https://facilo.jp/seller_agent/lp/001
詳細資料: https://facilo.jp/seller_agent/download
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会社概要
社名: 株式会社Facilo
本社所在地: 東京都港区赤坂 9-7-1 ミッドタウン‧タワー18F
代表取締役 CEO: 市川 紘
事業内容: 不動産コミュニケーションクラウド『Facilo』の企画‧開発
設立: 2021年10月18日