~新たなインフラを目指して10月25日(月)より無料でサービス提供開始~
建築物省エネ計算・適合性判定・BELS・CASBEE・性能評価事業を手掛ける、環境・省エネルギー計算センター(以下「当センター」、運営:株式会社HorizonXX、代表取締役 尾熨斗啓介)はこのたび、業界初の「CASBEE-不動産」の
セルフチェックができる「CASBEE-自己査定システム」(以下「本システム」)を開発、2023年10月25日(月)からオンラインで無料提供を開始します。
「CASBEE-不動産」とは、既存の建築物が「環境配慮をしているかどうか」を数値化して4段階のランクで評価し、投資家、金融機関、不動産会社、ビルオーナー、仲介会社といった不動産マーケット関係者が参考にする指標です。近年、認証件数が急増しています。本システムに査定したい不動産情報を入力することで、事前に評価基準達成可否や該当ランクを確認できます。
本システムがCASBEE取得の後押し、業界の新たなインフラとなることを目標に引き続き事業に邁進いたします。
——————————————————————————————————————–
●CASBEE-不動産自己査定システム
URL:https://casbee-self-assessment.ceec.jp/
——————————————————————————————————————–
■要点
・環境・省エネルギー計算センターが「CASBEE-不動産自己査定システム」を業界初開発。
・10月25日(月)より公開。無料で利用可能
・顧客が不動産に関する情報をシステムに入力することで、評価基準達成可否、該当ランクの確認が可能に
■開発経緯
当センターには、REIT、不動産投資会社やビルのオーナーなどのお客様から、「CASBEE-不動産」を申請する前に「評価基準に達するか、どのランクになるか知りたい」「そもそも取得できるのか」という質問が多数寄せられてきました。しかし、ある程度の計算・整理を行わなければ、質問にお答えすることが難しく、顧客の要望に応えられません。現状を打破すべく、当センターは本システムを開発しました。
図➀:CASBEE自己査定システムのデータ入力画面
図②:同システムの評価結果
図③:CASBEE不動産認証件数
■「CASBEE-不動産」認証取得における4つのメリット
①環境配慮不動産(グリーンビルディング)認証・・・環境配慮不動産認定となり、さらに、GRESBの評価項目の1つでCASBEE不動産認証物件の保有が加点項目として評価される。
②投資判断材料の一助・・・投資家や金融機関の投資判断の一助となる、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や機関投資家は、環境配慮不動産を運用していることなどを投資判断指標と位置付けとしている。
③不動産鑑定評価などの判断材料・・・不動産鑑定評価額算出時の利回り低下、賃料上昇の価格上昇要因となる可能性がある。テナントも同じ条件であれば、環境配慮不動産に入居したい、賃料が上がっても入居したいと
いったニーズが増えてきている。
④売買時のアピール材料・・・今後は、より環境配慮不動産認証は売買時のアピール材料に繋がる可能性が高い。全物件で環境配慮不動産認定取得を目指すREIT・不動産ファンドも出てきている。
ランク |
評価 |
ランクの表示 |
総合得点(100点満点) |
S |
すばらしい |
★★★★★ |
78点以上 |
A |
大変良い |
★★★★ |
66点以上 |
B |
良い |
★★★ |
60点以上 |
C |
必須項目を満足 |
★★ |
50点以上 |
図④:CASBEE-不動産のランク
■本システムについて
<想定ユーザー>
・REIT・不動産投資会社 ・金融機関 ・不動産会社 ・ビルのオーナー ・不動産会社 ・設計士
<本システムのメリット>
・既存の不動産について、「CASBEE-不動産」の認証取得をする前に、物件の情報を入力することで、
その物件が評価基準に達するか、どのランクになるのかを、迅速にセルフチェックできる。
・専門用語や数値もWebフォームの設問に従って、お客様自身で入力することができる。
・本システムで自己査定をした後、民間検査機関への申請代行を当センターに依頼することが可能。
<入力する項目>(オフィスビルを想定)
建物の基本情報
・建物の所在地、建物構造、建物の用途、延床面積(㎡)、収容人員(人)、男性の比率(%)
1.エネルギー/温暖化ガス
・該当建物は、ビルオーナーとテナントの協力体制のもと、エネルギー削減に取り組んでいるか
・該当建物は、省エネルギー計算をしているか
・前年度の空調、照明、換気、給湯、昇降機の各年間使用量
・エネルギーの年間使用量(電気(kWh)、ガス(㎥)、重油(L)、灯油(L)、液化天然ガス【LPG】(㎥))
・太陽光発電、風力発電、バイオマス発電などの自然エネルギー利用設備の設置
・自然エネルギー利用設備の年間の発電量(kWh/年)と年間電気使用量(kWh/年)
2.水
・対象の建物の年代
・建物内の食堂の有無
・雨水・雑排水の再利用量の、水使用量の合計値に対する割合
・昨年度の上水使用量(L/年)
3.資源利用/安全
・建物が確保している建築基準法を基準にした耐震性
・免震装置や制振装置等の導入状況
・主要構造部に該当するリサイクル資材・木材、非構造材料におけるリサイクル資材・地域材・木材の使用状況
4 躯体材料の耐用年数
・建物の竣工年と次回の大規模な改修工事の年
・建物内で実際に使用している主要設備器具
・災害時に備えて実施している取組み
・バリアフリー新法の建築物移動等円滑化基準の達成度合い
5.生物多様性/敷地
・敷地内における生物多様性向上のための取組み、認証取得
・ブラウンフィールド活用の観点から、評価対象敷地における土壌汚染対策法への対応状況
・建物の立地場所の鉄道駅やバス停からの距離
・自然災害のリスクに伴い、当該敷地における災害情報などを確認しているか
・【洪水ハザードマップ】【内水ハザードマップ】【高潮ハザードマップ】より対象地域が予想浸水
深さ50cmを超えるか
・【液状化マップ】より対象地域がどの危険度ランクに該当するか
・【津波ハザードマップ】より対象地域が浸水対象範囲に該当するか
・【全国地震動予測地域図】より対象地域が30年間の間に震度6弱以上の地震がある確率が26%以上あるか
・斜面災害の【地すべり地形分布図】より対象地域が斜面移動体又は不安定域・移動域と推定される範囲か
・対象地域は斜面災害の【急傾斜地崩壊危機区域】に該当するか
・落雷の【IKLマップ(年間雷雨日数分布)】より対象地域のIKLが35以上のエリアか
・該当する自然災害のリスクに対する有効な防災対策を実施しているか
・建物内にある主要な部屋の床面積(㎡)
・主要な部屋の「窓」の開き方、「窓」の縦の長さ(m)、横の長さ(m)または、窓の合計面積(㎡)
・建物の共用部に設置されている昼光利用設備
・主要な部屋の天井高、窓の有無
■「CASBEE-不動産自己査定システム」技術支援アドバイザー 林 立也氏
【略歴】
千葉大学大学院工学研究院 創成工学専攻建築学コース准教授。2017年に国土交通省土地建設産業局不動産市場整備課における「ESG不動産投資の普及促進に関する勉強会」のWT委員を担当するなど、建築物の健康性評価を中心に研究。
2006年より、CASBEE(建築物総合環境性能評価システム)の開発メンバーに幹事として関わり、2019年に公開したCASBEE-ウェルネスオフィス(建築物の健康性、生産性への貢献度評価システム)の開発責任者を務める。
林 立也氏
【林氏コメント CASBEE-不動産 認証取得の需要が急増する不動産市場】
2015 年に世界最大規模の機関投資家であるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が国連責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)の署名を行いました。これを受けて、日本の金融機関や不動産投資信託会社は投資先となる不動産ファンド、不動産開発会社にESG(Environment, Social, Governance; 環境・社会・企業統治)配慮の取り組み状況や計画の開示を求めるようになりました。
「CASBEE-建築」や「CASBEE-不動産」による認証取得は保有不動産の環境配慮の度合いを第三者性で証明するものです。特に既存建物に適用しやすい「CASBEE-不動産」の認証件数は急増しています。
一方で不動産ファンドや開発会社にとって、自身が保有する不動産の認証取得の是非や優先度を検討する上で「CASBEE-不動産」の認証取得が可能か?評価はどのランクになるか?といった情報が必要になります。
認証を目的とした評価やその準備をしてみたものの、必須項目が満たせない、評価ランクが低く過ぎるといった理由で、認証取得に至らない場合もあります。逆に言えば、評価ランクの目途が事前に把握できないと認証取得に前向きになれません。
環境・省エネルギー計算センターが提供する「CASBEE自己査定システム」は、これらの事前評価を把握したいというニーズに応えるツールです。認証取得の判断前作業を最小化できるため、「CASBEE-不動産」の認証取得の後押しとなることを期待しています。
■会社概要
環境・省エネルギー計算センター[M1]
運営会社:株式会社HorizonXX(ホライズン)
代表取締役:尾熨斗 啓介(おのし けいすけ)
電話番号:03-5944-8575(平日 9:30~18:30)FAX番号:03-5944-8587
所在地:〒171-0022 東京都豊島区南池袋3丁目15−11
所属協会等:一般社団法人 東京建築士会、グリーンビルディングジャパン(GBJ)、環境不動産普及促進機構 (RE-SEED)、環境共生住宅推進協議会、空気調和・衛生工学会、環境共創イニシアチブ、
住宅性能評価・表示協会